お待ちかねの、MOC(ミツル・オカベ・カンパニー)ビデオ、リー・プリースト『もう一つの黄金伝説』が発売された。第1作目の『黄金伝説』もリー・プリーストの意外な素顔付きの内容だったが、2作目となる『もう一つの黄金伝説』はリー・プリーストと、女子ボディビルダーのキャシーとの結婚式のシーンから始まる。結婚式の時、リーとキャシーのキスシーンが長かったと噂があったが、ビデオの中でもロマンティックなキスを度々披露してくれている。まるで映画俳優の結婚式のようだったが、リーはコンテストに出るときよりも、この結婚式のほうが緊張したのだそうだ。
 いよいよワールドジムでのトレーニングシーン。まずは胸から。ダンベルベンチからスタートし、とにかくしつこいほどやる。減量に入って2日目で、220kgのダンベルベンチプレスでケガをしたようだが、まだ痛みが残っているにもかかわらず、着実に重量をアップさせて黙々とダンベルベンチプレスを行なう。このビデオは、2000年ナイト・オブ・チャンピオンズに向けて調整中のリー・プリーストを追ったものなのだが、長くてしつこいベンチプレスが終わると、リーは上着を脱ぎ捨ててタンクトップになった。凄い。血管バリバリだ。タンクトップになった姿を見る限り、かなり絞れてる。オフの時のブヨブヨのリー・プリーストに比べたらまるで別人。リー・プリースト曰く「減量に入ってもなかなか身体に変化が現われないと、髪型を変えるんだ」。事実、その日は髪型を変えたばかりで、髪型が変わるだけで「絞れてるねぇ」と人に言われるのだ。体重はそんなに変わっていないのに。結局、目の錯覚を起こすわけだ。ボディビルダーにとって、これもとても大切な要素だ。目の錯覚を起こさせて、実際よりも絞れてるように見せる、デカく見せる・・・。これもテクニックなのである。
 それにしてもワールドジムは静かだ。音楽もなくて、静かな環境のほうがトレーニングに集中できるという人もいるわけで、リー・プリーストはそういうタイプ。彼のトレーニングも静かだ。黙々とやってる。アーッとか、ウーッとかいう叫び声もうなり声も出さない。このときの体重は公称で110kg。でも実際は103kg。コンテスト時には100kgの予定だ。マシンプレスでは45kg×3枚ずつ付けてやるし、ペックデッキは15レップスもやるし、バーティカル・マシンプレスではドロップセットを行ない、かなりの量のトレーニングだ。
 ディップスを行なっているシーンは、まるで着ぐるみを着ているのかと思うほど、モコモコと筋肉がパンプしている様子がわかる。ディップスを終えた後で、上半身裸になったが、背中にも血管が浮いている。もちろん、まだ絞れそうだし、事実、水が抜けきってないと言っていたが、それでも迫力は十分だ。パンツ一枚になって脚も見せてくれた。5週間で20kg落としたそうだ。これでも、いつもより減量幅は少ないらしい。でも、減量はかなり嫌いなようだ。オフの時はマックもKFC(ケンタッキーフライドチキン)もガンガンに食べまくるから、かなり別人になってしまうのだが、それを考えると、ここまで絞ったのは大したものだ。そういえば、よく、1年中ある程度は絞れた身体を維持するという選手もいるが、リーはそういうのは嫌いだ。なぜかって?いつも自分に規制をするのは楽しくないからだ。1度しかない人生なのだから、オフの時は好きなものを好きなだけ食ってもいいではないか。確かにそのとおりかもしれない。
 それにしても、腕のワークアウトもしつこい。拮抗筋同士、上腕二頭筋と三頭筋の種目を次から次へとスーパーセットにしてこなしていく。プレスダウンとバイセップスカール、インクラインカールとプレスダウン、トライセップスマシンとプリーチャーマシン、EZカールとケーブルエクステンション、ワンハンドトライセップスとハンマーカール・・・。上腕の種目がこれほどまでにたくさんあったのかと思わせるほどだ。カメラが回ってるから前腕のトレーニングも少しだけやって見せてくれた。リストカールだが、いつもはやらないのだそうだ。
 背中はデッドリフト、Tバー・ローイング、ケーブルローイング、プルダウン・・・。これもかなり執念深くやってる。その後で新聞読みながら自転車漕ぎ。
 肩のワークアウトの日は、髪を染めてきた。いよいよコンテスト前の最終段階だ。しつこく肩のワークアウトを行なった後は、コンテスト前のプロタン塗りシーン。ここでリー・プリーストは完全に裸になっていた。奥さんのキャシーに塗ってもらいながら、そんな姿でもポーズをとることを忘れない。
 ビデオの最後に、犬と遊ぶリー・プリーストが映し出される。大好きなトレーニングの師匠でもあるおじいさんとのツーショット。そしてもうひとつおまけに、アイアンマンUSAでもお馴染みのロニー・テッパーが大好きなプレスリーごっこを披露する。リーとロニーは大のカラオケ好きで、よく2人でこうして歌っているに違いない。コンテスト前の緊張した状態とはまったく別人だ。
 結論を言うと、トレーニングシーンはまじめに、最後はおちゃらけシーン満載で、ここでもリー・プリーストの素顔が覗けるようなビデオに仕上がっている。リー・プリーストは愛想がないと言ってあまり好きじゃない人もいるかもしれないが、実は私たちと同じ、ごく普通の人間なのだ。それがわかるようなビデオである。作っていない素のリー・プリーストを見たい人、量のトレーニングってここまでしつこくやらなきゃいけないことを学びたい人、とにかく必見だ。■
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