![]() |
|
嗅覚の研究
|
| 最新のテストステロン・ブースターは非常に納得のいくものである。どうして今まで開発されなかったのか、不思議に思えるほどだ。納得がいく理由は、基礎的な生物学を応用しているからであり、誰もが“そりゃ、そうだ”と理解できるものなのである。ここで紹介する最新のテストステロン・ブースターは、つまり、私たちの嗅覚を刺激するものであり、それによって体内のテストステロンレベルをアップさせようとするものである。これは、人類の歴史が始まって以来、子孫繁栄のために人類が無意識のうちに実践してきたことなのである。 科学者たちはすでに20年も前からヒトの鼻には2つのセンサーのようなチャンネルがついていることを知っていた。ほ乳類では、この2つのチャンネルがそれぞれ別々の器官や神経を持ち、そこで関知された香りはそれぞれの器官を使って脳に伝えられるのである。 1つ目の系は嗅覚系と言われるもので、様々な臭いを関知する役割を持っている。そして、2つ目の系は鋤鼻系と言われ、フェロモンを関知し、生殖内分泌や性行動の制御にかかわっているのである。 ヒトのフェロモンは異性を魅了し、性欲をかき立てる作用がある。実際に、フェロモンの研究は多数行なわれており、その作用については様々な文献も出ているのである。30年前、ユタ大学のバーリナー博士がヒトのフェロモンの抽出液を用いることで、ヒトの性欲を昂進させる作用があることを発見した。後に、コロラド大学で味覚と嗅覚を研究するジャフェックとモーラン氏らがヒトの鼻に鋤鼻系が備わっていることを突き止めたのである。両氏の研究により、鋤鼻系は小さな穴で、その穴の奥には特別な細胞によって構成されているチューブ状の管が通っており、そこでフェロモンが関知されることが解明されたのだ。 ところで、私たち人類にはもともと優れたフェロモン製造の能力が備わっていた。フェロモンによって異性と意思の伝達を行ない、それによって互いの性行動をコントロールしていたのである。しかし、ヒトが言葉を持ち、異性と会話によって意志の疎通が図れるようになると、進化の過程でその能力が少しずつ退化してしまったのである。しかし、幸いにもフェロモンを関知し、それによって引き起こされる反応は今も私たちの身体に残っており、今回はそれを利用して筋肉を発達させようというのである。 |
|
フェロモンの力
|
| それにしても、どうして異性を魅惑するフェロモンで筋肉を発達させるという突飛な考え方が生まれたのだろうか。実は、その関連性については、イギリスの科学研究誌で知られる『ネイチャー』に発表された研究論文からヒントが得られたのである。この研究論文は、シカゴ大学の心理学者、マーサ・マックリントク博士によって発表されたものである。博士は以前から女性の月経サイクルの研究をしていたのだが、その研究の中で、女性の月経が近隣の女性の月経サイクルに影響し、同じようなタイミングで月経が始まる事実を指摘したのだ。博士によれば、このような現象が起きるのは、特定のフェロモンによる作用が原因であり、そのフェロモンはコプリンと呼ばれている。 ウィーン大学の生物学者、カール・グラマーとアストリッド・ジュエットは、やはり女性のフェロモンの研究を行なっている。彼らが研究の対象としたのはオスモフェリンと呼ばれるフェロモンであった。このフェロモンは、女性の排卵期に作り出されるフェロモンで、最も受精が可能となるタイミングでフェロモンの製造能力もピークに達する。 科学者たちはオスモフェリンを研究し、ついに人工的に合成することに成功すると、それを使って、オスモフェリンが異性の性欲昂進に何らかの反応を示すかどうか実験し始めた。そして、オスモフェリンを皮膚につけておくと、つけていない女性に比べて男性の“より付き方”に大きな差が出ることがわかったのだ。ちなみに、このオスモフェリンは決して香りのいいものではない。むしろ、非常に臭いのだ。それでも、オスモフェリンに男性は誘われるのである。どうして男性はこのオスモフェリンに誘われるのだろうか。それを調べるために、唾液中のテストステロン値に変化が見られるかどうかが測定された。それによると、オスモフェリンを嗅ぐと、男性の唾液中テストステロン値が正常時の250%ものレベルまで増加していることがわかったのだ。そう、正常時の2.5倍もの値である。筋肉を発達させる上での理想的な体内環境とは、テストステロン値が高い状態である。つまり、オスモフェリンによってテストステロン値が高くなるのであれば、それは筋肉を発達させやすい体内環境が作られるということになるはずである。しかし、残念ながら、オスモフェリンの研究にかかわった科学者たちは、そこまで発想を飛躍させることができなかったのである。 テストステロンのレベルが上昇するのであれば、これはボディビルダーたちにも大いに利用できるはずだ。しかも、テストステロンの値が正常時の2.5倍にまで上昇するのだ。おまけに、それだけ高められたテストステロンは自分の体内で作り出されたテストステロンによるものであり、薬物を使って得るのではない。テストステロンの合成物質を身体の外から取り入れるものではないのだから、その反動でテストステロンの体内合成に抑制がかかったり、エストロゲンの増加による副作用も起きない。フェロモンを嗅ぐだけで、体内のテストステロン合成能力は上昇し、テストステロンレベルを上昇させることができるのである。 使い方は簡単だ。ワークアウトの前に首の辺りにちょっとつけておくだけでいい。ほとんど即効的に体内のテストステロン値が上昇し、身体がカァーッと熱くなってくるはずだ。そうなったら、約30分間はその作用が持続するため、非常に高強度のワークアウトが可能になるはずだ。おそらく、テストステロンの作用によって、より重い重量を持ち上げられたり、より早く疲労が回復されるようになるはずだ。薬物としてのテストステロンがもたらすプラスの効果を薬物なしで得ることができるのである。 最近のサプリメント界を見ればわかるとおり、いずれのメーカーもテストステロン値を上昇させるために様々な物質を研究し、開発してきた。新しいサプリメントが商品化されると、ほとんどのものに“体内のテストステロンレベルをアップさせる”という宣伝文句がつけられてきた。つまり、テストステロンのレベルをアップさせるために、様々な物質が研究されてきたのである。中には副作用をもたらすようなものもあったが、それでも薬物のテストステロンを使うよりはマシだと、ナチュラルトレーニーの多くは片っ端から新しい物質を試してきたはずだ。しかし、今回紹介した商品は臭いを嗅ぐだけで体内で作り出されるテストステロンをアップさせるというものである。実際に、テストステロンの合成を促すための材料を体内に取り込む必要はないのだ。 もともと筋肉を発達させるために開発されたものではないが、このフェロモンによってテストステロンのレベルがアップするのであれば、それを利用しない手はないはずだ。■ |