素質のなさを補ってくれるもの
 初級者だろうがチャンピオンだろうが、筋肉を極限まで発達させることを目的としているボディビルダーである以上はテストステロンこそ最大の兵器だ。もちろん、筋肉を発達させるためにはトレーニング、食事、休養の3本柱が必要であるが、体内のアナボリックホルモンのレベルを高めることは筋肉を肥大させる上で不可欠なことであり、中でもテストステロンのレベルをアップさせることは筋肉を効率よく肥大させるために重要なのだ。体内のテストステロン・レベルを何らかの方法で高めることができれば、クラーク・ケントをスーパーマンに変身させることは実際に可能なのである。
 もともと体内のテストステロンのレベルが、平均的な人たちよりも高いアスリートもいる。そういうアスリートは“素質がある”と言われるわけだが、その“素質”に恵まれたアスリートはほんのわずかなエリート集団である。エリート集団に属している“素質”に恵まれたアスリートは、基本的に、何をやっても、どんな方法で行なっても、筋肉を人一倍楽に発達させることができるのだ。ところが、そうでない大半の人たちは、場合によっては何をどう行なっても、筋肉が肥大する気配がまったく現われなかったりする。どれだけ奮闘し、どれだけ研究しても、エリート集団のアスリートたちのように効率よく筋肉を発達させることができないのだ。結果が得られたとしても、その率は微々たるものである。“素質がない”ことは絶望を意味しているのだろうか?素質をカバーするものは何もないのであろうか?
薬物使用の代償
 この数年の間に、サプリメント業界は様々な物質をトレーニーたちに提供してきた。研究が重ねられ、一般トレーニーたちの素質のなさを補ってくれるような物質の開発を続けてきたわけであるが、その多くは、体内のアナボリックホルモンであるテストステロンをアップさせるために作用することが目的とされていた。残念ながら、これだけ多くのサプリメントが開発されてきたにもかかわらず、テストステロンと同等の作用をもたらす物質は見つからず、体内で分泌されるテストステロンを現実にアップさせることはできないものがほとんどであった。しかしついに“そのとき”が来たのである。テストステロンと同等の作用をもたらす物質などないなどと嘆いていたのは過去の話になったのだ。
 テストステロンは体内で分泌されるホルモンである。しかし、薬物の世界では、それを人工的に合成し、人工的に合成されたテストステロンを直接体内に入れるアスリートも出てきた。特にその人数は過去30〜40年の間に増え、特定のスポーツ界で頂点を目指すために、もしくは信じられないほどの記録や状態を作るために、薬物に手を染めるアスリートが増えてしまったのだ。しかし、それには大きな代償を払わなければならないことは誰もが知っていることだ。つまり、毛が抜けたり、全身に吹き出物ができたり、女性化乳房が現われたりする副作用の問題や、モラルの問題だ。さらに、物質としてのテストステロンを手に入れるためには病院でちゃんと処方してもらわなくてはならない。それ以外の方法でテストステロンを手に入れようと思ったら、結局、法を犯さなくてはならないわけだ(アメリカの場合)。
プロホルモンは登場したが・・・
 1988年、私は、ステロイドグルと呼ばれていた故ダン・デュシェインと大変有意義な話を交わしたことがある。彼は一切の副作用をもたらさず、ステロイドの筋肉に与えるプラスの効果だけが得られるような物質が開発されれば、それは完璧なステロイドと呼べるものであり、それが開発されたらどれだけすばらしいかを力説していた。そして、必ずそのような物質が完成するに違いないと確信を持っていた。当時のステロイド科学は、ダンにしてみればまだまだ原始的であった。高品質の陸上競技者用の靴のほうが研究が重ねられ、よほど進化しているとダンは述べていた。当時の私は、そんな彼の話に同意できるだけの知識や情報を持ち合わせていなかったが、14年後の現在、確かに彼の認識は間違っていなかったのだと確信を持つことができる。
 ステロイドは医薬品メーカーにしてみれば、それほど大きな利益に結びつく物質ではない。だから研究を重ね、開発していくための費用を投じる価値が見いだされてなかったわけだ。ステロイドを研究するよりも、最新のサプリメントのために投資したほうがはるかに見返りが大きかったのである。
 何年にもわたって、多くのサプリメントメーカーがステロイドと同等の効果が引き出せるような物質の開発に費用を投じ、人を投じてきた。事実、新しいサプリメントが開発され、商品化されると、その物質の広告には必ず“ステロイドのような効果”とか“ステロイドに代わる物質”などの見出しが付けられたりする。5年ほど前に市場にデビューしたプロホルモンは、ひとつひとつの効果はともかく、ステロイドに代わる物質として多くのアスリートたちに利用されてきた。その後もプロホルモンは進化を続け、形状や内容を変えながら、より確実に効果を得るための物質に進化し続けている。しかし、残念ながら、どうしても本物のテストステロンに近づくことはできていないのだが・・・。
肝臓通過の問題
 このように、数多くのサプリメントメーカーも、アスリートたちも、テストステロンが筋肉の発達に不可欠なホルモンであり、重要であることは十分に認識しているわけだ。しかし、体内で分泌される量には限度があるし、といって人工的に合成されたテストステロンをブラックマーケットで買うのは違法だし・・・。おまけにブラックマーケットのテストステロンはまがい物が多く、本物であっても副作用の怖さを考えると手が出ない・・・。
 ところで、どうしてこんなにテストステロンが求められるのか。どうしてテストステロンが筋肉の発達に不可欠なのか、それを知っておかなければ意味がない。テストステロンは体内で分泌されるホルモンであり、このレベルが上昇すると、身体はタンパク質を同化しやすい環境を得ることができるのだ。つまり、筋肉にタンパク質が同化されやすくなり、筋量をアップさせることが可能になるわけだ。経口のステロイドなどはほとんどが17αアルキレートであり、経口でも作用するように作られている。経口である以上、口から入り、食道を通り、胃を通って肝臓に到達し、その後、血中に溶け込んで全身を巡るわけだが、アルキレートされたステロイドは物質の結合が非常に強固である。だから破壊されずに血中に溶け込むことができるのだ。しかし、これは逆にいうと肝臓に多大な負担をかけることになる。何しろ、破壊されないステロイドは、肝臓にとっては“毒性がある物質”として認識されてしまうからだ。
 結局、経口である以上、肝臓をどう通過するかが問題なのだ。プロホルモンが相変わらず研究され続けている理由もそこにある。肝臓を難なく通過させるために、しかも破壊されないまま通過させるために、様々な形状や加工が研究されてきたのだ。通常のプロホルモンであれば、肝臓に到達した時点でその85%が破壊されてしまうことがわかっており、プロホルモンを摂取しても、血中に溶け込むことができるのは残りのわずか15%程度であると言われているのだ。できるだけ多くのプロホルモンを血中に溶け込ませるためにサイクロデキストリンが開発され、口腔内の粘膜に貼り付けて、血中に直接溶け込ませるタイプのものが開発されたわけだが、残念ながら、これでもやはり吸収率に限度があり、結局はアスリートたちを十二分に満足させることができずにいるのだ。
画期的!プロステロイド『T100』
 プロホルモンには、ご存知のとおり様々な種類がある。アンドロ系、ノルアンドロ系、5AD、4AD、そして最新のものでは1ADなどが開発されたわけだが、これらはすべてプロホルモンであり、体内で作用するためには、必ず特定の酵素の働きが必要なのだ。
 最近になって、開発された物質は、新しい分野に属するものである。この新しい分野とは“プロステロイド”であり、『T100』という商品名で市場に紹介された。T100は1テストステロンであり、フリーアナボリック1テストステロンに変換される一歩手前の状態の物質なのだ。現時点では、T100こそボディビル界で合法的に用いることのできる革命的な物質なのだ。
 しかし、何よりも心配なのが副作用だ。信じられないかもしれないが、T100にはほとんど副作用がない。この物質は筋肉を最大限に発達させることを主な目的に開発されたもので、テストステロンの筋肉に与えるプラスの作用だけを模倣して作られたのだ。事実、その効果に関していえば、プロステロイドのT100は合成されたステロイド・テストステロンよりも7倍もアナボリックな性質が強いことが研究でわかっている。
 いや、あまりにもうますぎる話であろう。とてもじゃないが信じられないだろう。しかし、T100はステロイド・テストステロンと異なり、体内に入ってからの活動時間が長いのだ。活性時間が通常のステロイド・テストステロンよりも長い。だから筋肉の発達のために存分に効果をもたらしてくれるのである。また、テストステロンと異なり、T100は体内で17ケトステロイドに代謝されにくい性質をも持ち合わせている。
 T100にはエーテル結合の技術が使われている。つまり、T100は1テストステロン・エーテルなのだ。最新の技術が用いられたことで、物質は小腸で高い割合で吸収されるのである。もちろん、肝臓を難なく通過し、血液に溶け込む割合が高く、しかも活性力が長時間にわたって持続される。
 T100はジヒドロテストステロン(DHT)由来の物質である。DHTといえば、体内でテストステロンが変換されて作り出される物質であり、様々なステロイドやプロホルモンなどによってもたらされる副作用の主要原因となる物質である。テストステロンは体内でこのDHTやエストロゲン(女性ホルモン)などにその大半が変換されるのだが、例えば髪の毛が抜けたり、吹き出物が増えたりするのも、直接的な原因はこのDHTの仕業なのだ。もしT100がDHTから得られる物質であるとすれば、副作用がないはずはないと考えるわけだが、T100はDHTから抽出された物質でありながら、体内でDHTに変換されにくいのである。そして、その特徴が備わっているからこそ、T100は筋肉にテストステロンのプラスの作用(筋量の増加や筋力の向上、トレーニング意欲の向上など)をもたらし、マイナスの作用(いわゆる様々な副作用)をもたらさないのである。
 やっぱりいいことずくめでどうしても信用できないのであれば、しばらくの間、本当にそうなのかどうか、T100の愛用者が増えるまで待っているのもひとつの手だろう。そのうちに、自分のライバルたちがT100であっという間に自分の筋肉とはほど遠いハイレベルな筋肉を完成させたとしても、それからでも遅くはないかもしれない。
 ただし、ひとつだけ断わっておく。現時点ではT100は違法性のない物質である。だからサプリメントとして販売されているわけだ。しかし、この状況がいつ何時変わらないとも限らない。こういう新種の物質は目の敵にされやすいからだ。まったく心配のない物質ではあるが、万が一、市場から一掃を命じられた場合、躊躇して見守っていたことを悔やむことになるかもしれない。それだけはあらかじめ断わっておく。
 T100はステロイドの中でも最も画期的なトレンボロン(商品名:パラボラン)に限りなく近い作用をもたらしてくれるサプリメントだ。トレンボロンはトップレベルのボディビルダーたちに一番人気のあるステロイドで、選手たちがコンテスト前のコンディションを完成させるために用いている。というのも、トレンボロンは筋肉を固く仕上げ、深いカットを刻み込み、筋肉のデフィニションを完成させてくれるためだ。そんなわけで、トレンボロンを使用している選手たちの中には、トレンボロンをファットバーナーとして利用している人も多い。バリバリの、迫力のある筋肉に仕上がるためだ。そんなトレンボロンと非常によく似た効果をもたらすT100であるため、筋肉の質を高める上で非常に効果が期待されるのだ。
『T100』の注意点
 T100はテストステロンのプラスの効果をもたらし、マイナスの効果を限りなくゼロに近づけた物質であるわけだが、使用においては十分な注意が必要である。まず第一に、この物質は女性アスリートが使うべきものではないということ。当然のことではあるが(何しろT100は男性ホルモンのテストステロンを模倣したものなのだから)、この点については念のため注意しておきたい。また、体重が225ポンド(約102kg)を下回る人は、1日に100mgカプセルを2、3粒だけ摂取すること。それ以上の使用は、絶対に勧められない。さらに、最初の5〜7日間は1日の摂取量を2粒に限定し、8日以降から少しずつ摂取量を増やしてみるようにしよう。体重が225ポンドを上回る人でも1日の摂取量は3、4粒が限度である。その場合、やはり最初の5〜7日間は1日の摂取量を3粒までとし、8日目から摂取量を増やすといい。
 T100の実験では、わずか7日間の使用ですでに被験者たちの筋力が向上し、明らかに意欲の向上が感じられるようになったということだ。
 T100をうまく使うためには、サイクルを組むことも重要であろう。人によってサイクルの組み方は若干異なるが、一般的には4〜6週間使用を続けたら必ずオフの期間をとることだ。サイクルの期間は人によると述べたが、8週間以上連続使用することは勧められない。必ず間に2〜4週間のオフをとることだ。オフの間に発達した筋肉が元の状態に戻ることはまずないので、必ずオフをとるようにしていただきたい。■