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ホエイとカゼインの吸収実験
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タンパク質に関する実験がまったく行なわれていなかったわけではない。ただ、実験のほとんどは、外傷患者や病気を患っている患者たちを対象としたものだったのだ。傷を修復する過程にあったり、病気のために身体がカタボリック(筋肉が破壊されている状態)に陥っている患者たちにとってアミノ酸は非常に貴重な栄養分である。ただし、患者たちへのアミノ酸はほとんどの場合、注射によって体内に送り込まれていた。つまり、注射によって体内に送り込まれたため、健康なボディビルダーやアスリートに対しての作用については判断することが難しかったのだ。 フランスの研究者たちが行なった実験は、確かにボディビルダーたちを被験者にしたものではなかったが、被験者となったのは、これまでのような外傷患者や病気の患者ではなく、健康な若者だったのだ。さらに重要なことは、被験者たちに与えられたタンパク質は注射によるものではなく、経口によるものだった。つまり、口から食道を通り、胃で消化される過程を経て吸収されたものなのである。この実験で被験者たちに与えられたタンパク質は「ホエイ」と「カゼイン」だ。被験者たちは2つのグループに分けられ、一方は30gのホエイ・プロテインシェイクを、もう一方のグループは30gのカゼイン・プロテインを摂取した。 ホエイ・プロテインの研究はかなり進んでおり、既に様々なデータが揃っている。これまでのホエイの実験によっても、ホエイは吸収率が非常に高いことがわかっていた。一方、カゼインはホエイに比べると吸収率が低い。つまり吸収が遅いのだ。したがって、予期されていたことではあるが、摂取してから100分後の血液中のアミノ酸濃度を調べたところ、カゼイン・グループよりもホエイ・グループのほうがはるかに血中アミノ酸濃度が高かったのである。 |
![]() ところが、300分後の結果はまったくわれわれの予想を超えていた。なぜなら、この時点でホエイ・グループの血液中アミノ酸濃度は、ホエイ・プロテインを摂取する前の状態まで戻っていたのだが、カゼイン・グループでは血中アミノ酸濃度が高く維持されていたのだ。この結果から、ホエイは急速に体内のアミノ酸レベルを高めるためには効果的だが、長時間にわたって高い血中濃度を維持するのであれば、カゼインのほうが効果的であると結論づけることができる。逆に、体内の血中アミノ酸濃度を急速に高めたいのであれば、カゼインよりもホエイのほうが有効であるわけだ。 (次のページへ) |
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